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2007年10月30日 (火)

『泣虫』にて。

10月27日土曜日。

東北地方に台風が接近。

この日は強い雨と風に襲われた。

。。。

10月27日土曜日。

僕の中学時代の友人。

同じバスケ部であったチームメイトの一人が・・・

20歳の若さでこの世を去った。

。。。

台風が来ている夜。

彼女はとある友人の運転する車の助手席に座っていた。

雨で見通しの悪かった曲がり角で、スピードを出していたのか、車はカーブを曲がりきることが出来ずにそのままガードレールに突っ込んだ。

車は大破。

助手席に座っていた彼女は体を強く打ち、搬送先の病院で息を引き取った。

事故当時、ほぼ即死の状態だったらしい。。。

車を運転していた友人は胸にケガをしたとか・・・。

でも、生きている。

何と言う運命の悪戯なのか、その時車を運転していた友人は、去年の夏に亡くなった僕の友人の双子のもう片方であった。

チームメイトの二人目の死。

正直、実感が沸かない。

連絡をもらった日は、確かに驚いた。

当然、涙も流した。

でも、ある程度時間がたてば涙はおさまり、再び落ち着きを取り戻すことが出来ていた。

今日は御通夜。

僕は午前の授業だけ受け、そのまま地元へ帰った。

出来ればこんな理由で帰省したくはなかった。

高速バスが地元へ近づいていくほど、胸のモヤモヤが強くなる。

行きたくない。見たくない。信じたくない。

参列すれば、嫌でも「友人の死」という現実を突きつけられることになる。

しかし、バスは予定通り到着。

一端実家に落ち着いた。

実家で、無意味に昔の写真を眺めていた。

アルバムの中には、当時の友人達がその時の笑顔のまま残されていた。

遠足、部活の合宿、修学旅行、引退試合、卒業式。。。

この時の僕達は、数年後の今、こんなことになるなんて予想もしていなかったんだと思うと、幸せだったと思う。。。

そうこうしている間に、通夜の時間が近づいてきた。

僕は葬儀場へ向かった。

道が混雑していて、ギリギリの時間に到着。

入り口には、友人の名前。

そして、中には友人の遺影が。。。

胸が苦しくなった。

気付けば涙が溢れていた。

席に着き。手を合わせ、お経に耳を傾ける。。。

この時、再び落ち着いたのか、涙はおさまり、ただただ目の前にある友人の遺影を見つめていた。。。

周りは、お経とすすり泣く人々の声だけが空間を埋めていた。

でも、僕の耳にはほとんど入って来ない。

僕の耳には、友人が生前僕に投げかけた言葉だけが聞こえていた気がした。

「智斗ぉ!キャッチミスすんなって!!」

「全く智斗は何やってんの!?」

「智斗!ちゃんとボール見て!!」

「全く何泣いてんの?!馬っ鹿みたい!!」

「泣くな!!」

・・・僕は怒られてばっかりだった。

彼女はバスケが上手だった。

レギュラーで、ユニフォームの背番号もエースナンバーだった。

ユニフォームさえもらえず、悔しくて泣いてた僕に「泣くな。」と言った。

口が悪かったからよく罵声を飛ばされたが、何だかんだ言ってちゃんと最後は色々教えてくれた。

当時の思い出が、たくさん蘇ってくる。

・・・本当にもういないの?

もう喋れないの?

そんなことばかり心の中で問いかけていた。

そして、僕にもお焼香の番が回ってきた。

前に進み、棺の前に向かう。

恐かった。

そして・・・

。。。。。。。。

。。。。。。。

。。。。。。

。。。。

。。。

時が止まった気がした。

そこには、まるで眠っているかの様に友人が瞳を閉じていた。

とても可愛くて綺麗だった顔には事故で負ったのか擦り傷がいくつか残っていた。

同じ空間にいるはずなのに、彼女の時だけが止まっている。

信じたくないのに、目の前に瞳を閉じて眠っているのは紛れもなく友人の姿だった。

お焼香を済ませた後、席に一端戻ったが、途端に涙が溢れてきた。

通夜が終わり、皆が棺の前に集まって行く。

再び、もう動かない友人と顔を合わせた。

涙が溢れた。

下を向けばそのまま流れ出て来るし、上を向いても溢れるばかり。

止まらない。

周りでは何人もの友人達が泣き崩れている。

今までなら、他の友人が泣いていれば、僕は何があっても泣かず、泣いてる友人を気遣うのが普通だった。

今回は、それが出来ない。

止まらない涙が、そのまま床に滴り落ちる。

頭がクラクラする。

胸が痛い。

悲しくて仕方が無かった。

もう、いくら名前を呼んでも返事をしないとわかっていても、気付けば名前を呼んでいた。

まるで、全てが嘘だと願う様に。

悲しくて、悲しくて・・・そうすることしかできなったんだ。

これが、「大切な仲間を失う悲しみ」というものなのだろうか。。。

。。。

そろそろその場を離れなければならない時間。

僕は棺の中の彼女の頭に手を添えた。

「また会おうな。次は来世で。ちゃんと待ってんだぞ?」

最後くらい、強気で言わなきゃきっと笑われるから、精一杯笑って言った。

・・・つもり。

声は涙で震えてたけど、きっと笑って言えてたよね?

。。。

葬儀場を後にし、僕は日帰りで戻って来た。

通夜に来た友人達とはまたちゃんと会う約束もしてきた。

もう夜も遅い。

帰り道、バスが無いから歩いて家に向かった。

夜風が心地よい。

アレだけ流していた涙も、もう止まっていた。

まぁ、駅とか何個も通ったし、いい加減泣き止んでいないと恥ずかしい。

未だ頭はぼうっとしていたけれども。。。

そのせいか途中で躓いて転んだ。

いつもは耐えるのに、今回力が入らずそのまま転んだ。。。

夜だから誰もいないし、別にどうでも良かった。

膝をぶつけた。

痛い。

痛いよ。。。

でも、痛いと思うのは生きてるから。

友人は、もうこんな些細な痛みさえも感じない処へ逝ってしまった。

そう思った途端、また涙がじんわりと溢れてきた。。。

何とか家に着き、落ち着いた。

やっぱり、思い出すと涙が出てくる。

一体いつまで続くんだろう。

でも、今はこんなに悲しいと思っていても、いつかは平気になっていくのかな。

不思議だ。。。

もう夜も遅い。

一晩眠って、また明日から頑張ろうと思うよ。

いつまでも泣いてたら、きっと笑われるもんね。。。

。。。

享年20歳。

僕の友人が・・・また一人、亡くなった。

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コメント

コメントありがとうございました。。。

皆さんの温かい言葉、本当に助かりました。
今回はコメントお返事をまとめさせていただきます。

ここにコメント書いてくださる皆さんも、きっと
悲しい別れを体験していることと思います。
それを乗り越えて今を生きてる人がほとんどかと・・・。
だから僕も悲しみ沈まずに頑張っていきます。

ありがとうございました。。。

投稿: 智斗 | 2007年11月 5日 (月) 22時47分

そんな事があったんですね。
突然の事故・・・自分1人で気を付けていても
絶対に避けられるものではないですしね。

こけた痛みも、空が美しいと感じる事ももう無いのかと思うと
生きている事って、本当にそれだけで喜びなんですよね。

高校の時、同じ少林寺の仲間が大学生で亡くなった事を
思い出しました。彼の場合は病気でした。
若くして亡くなった彼の事を皆が悲しんでいました。
来世でまた良い出会いが出来ると良いですね。

投稿: しま | 2007年10月31日 (水) 23時54分

つらいですね。
まだ20才だなんて、本人はもちろん、残された周りの人も。
幸い、僕は今のところ友達が亡くなるなんて経験はないです。
こんなことと比較できるものではありませんが、友達と遠くはなれるのでさえ寂しいのに。

そのお友達も自分とのお別れを思いっきり悲しんでくれてありがとうって思ってくれてると思います。
でも、決してずっと悲しむことは望んでいなく、周囲の人にはまた元気に明るく過ごしてほしいと思ってるんじゃないですか?

投稿: モア | 2007年10月30日 (火) 19時49分

 こんばんは☆こねこです♪

 いくら言葉を並べても、いくら言葉を飾っても、ただただ・・・ご冥福をお祈りするばかりです。

 享年20歳・・・まだまだやりたいことがいっぱいあったよね。しなきゃいけないこともあったよね。そして、未来へ子孫を残すことも・・・。

 昨日の素晴らしい彩雲と私のわずかばかりの祈りを捧げます。
 ねこでした(合掌)・・・・・・。

投稿: こねこ | 2007年10月30日 (火) 18時33分

人は生まれた瞬間から死に向かって歩み続ける。
しかし生きる為に飯を食わねばならない。
なんという矛盾であるか。

by池波正太郎

故人が真に故人となるのはなぜか。
亡くなったからか、否、人々から忘れ去られた時に故人となる。
今は悲しむだけ悲しみ、その後に己が胸に生き続ける故人を、
己が生き続ける限り想い出し、ともにいき続けよう。

byメルヴィル

死んだ人が持って逝けるのは、地位でも名誉でもお金でもない。生きて見送る人の流す心からの涙だけ。

by佐々淳行

投稿: 快速海風三号 | 2007年10月30日 (火) 16時06分

こんにちわ。
とても悲しいはなしだと思いました。
若い人の葬儀ほどつらいものはないと
感じます。
数年前、私の従兄弟が交通事故に遭い
亡くなりましたが、、
お通夜~お葬式は、とてもつらくて
二度とこのような悲しいことは
こりごりと痛感でした。

投稿: タジイ | 2007年10月30日 (火) 13時12分

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